作業療法士の給料の手取り平均はいくら？

作業療法士は医療関係の仕事ということはわかっていますが、実際どのような仕事なのでしょうか。

また、似ている名前の職業である理学療法士とどのような違いがあるのでしょうか。

今回は作業療法士についてご紹介していきます。

特に作業療法士の給料に注目して解説していきます。

作業療法士とは？

 

引用：hmc.ac.jp

まずはじめに、作業療法士とはどのような職業なのかについて説明していきます。

作業療法士とは医療のリハビリテーション分野における専門職の一つです。

英語では「Occupational therapis」といい、日本でも作業療法士のことを「OT」と略されて呼ばれています。

精神や身体に障害のある人や障害が予測される状態にある人に対して、その人たちが不自由なく生活できるように治療や訓練、指導を行う仕事です。

高齢化社会が加速する日本では、これからさらに需要が高まる職業の一つとされています。

仕事内容

作業療法士の仕事内容は、患者の方の日常生活で行われる様々な諸活動に治療や指導、援助を通じてアプローチすることです。

患者の状態によって仕事内容は異なりますが、患者の日常生活がうまくいくようにサポートするという点で共通しています。

また、サポートの方法は身体的なものだけでなく精神的なサポートも含まれています。

事故や病気などで後遺症が残る患者や精神疾患を患っている患者、高齢者、発達が遅れた幼い子供など、作業療法士の仕事は様々な分野に広がります。

下記は作業療法士の具体的な仕事内容です。

・基本的動作能力：運動や感覚、知覚、心肺や精神、認知機能のサポート
（例）体操、軽度のスポーツ、滑り台、ダンスなど

・応用的動作能力：食事やトイレ、家事など日常生活で必要とする活動
（例）食事、更衣、排泄、入浴、起床、コミュニケーションなど

・社会的適応能力：地域活動への参加、就労、就学など
（例）計算、パソコン操作、対人技能訓練、外出活動、公共機関の利用など

理学療法士との違い

作業療法士と同じような職業として理学療法士が挙げられます。作業療法士と理学療法士はどのような違いがあるのでしょうか。

作業療法士と理学療法士はともにリハビシテーション分野におけ専門職ですが、取り扱う分野が異なります。

（作業療法士）
作業療法士は日常の諸活動を通して身体と心のリハビリテーションを行うことを専門としています。

日常の基本的は動作から、さらに応用的な動作や作業を積み上げていくリハビリテーションを専門としています。

例えば、身体の起き上がりの動作からさらに進んで、トイレでの動作や着替えの動作などの日常的な動作につなげていくのが作業療法士の分野になっています。

また、作業療法士はリハビリテーションの専門職の中で、精神的な障害のある患者へ専門的なアプローチができる職業です。

そのため、精神科の病院やデイケア、認知症関連の施設でも仕事を行うことができます。

作業療法士は日常の諸活動を通じて患者の生活を構築していく職業であるため、障害の有無に関わらず、支援を必要としている人全てに作業療法を行うことが可能です。

（理学療法士）

一方の理学療法士は寝返りや起き上がり、歩行といった日常生活で欠かせない基本的な動作の獲得と回復を目的としたリハビリテーションを行います。

治療法としては「動作療法」と「物理療法」の2つを用いて治療を行います。

「動作療法」は寝返りや立ち上がり、歩行といった日常生活での基本的な動作の訓練や動作の基本となる筋力や関節の動きを維持・改善する訓練のことを言います。

「物理療法」は電気や温熱、光線を使った治療です。理学療法士は運動療法と物理療法を組み合わせて患者の身体機能の改善・回復や基本的な動作を行えるようにサポートしています。

理学療法士は患者の日常生活における動作の土台づくりをサポートする職業です。

作業療法士の平均的な給料は？

作業療法士を目指す人や作業療法士の仕事に就いている人にとって気になることはやはり給与などの収入面なのではないでしょうか。

作業療法士の平均年収は350万〜420万円です。年代や性別によっても収入は異なります。

例えば、30代男性の平均年収は約450万円程度、30代女性は約412万円程度、50代男性は約600万円程度、女性は約500万円程度となっています。

作業療法士は医療職なので、初任給は他の職業に比べて高めに設定されている場合が多いです。しかし長期間働いたからと行って給料が上がっていくことはあまりないようです。

そのため初任給が低いと、その後も年収が上がらない場合があるので就職前に確認してみましょう。

作業療法士に限った話ではありませんが、給料や待遇などは職場や働く現場によって大きく異なります。

一般的には病院などの医療機関よりは福祉施設で働く方が収入は低くなる場合が多いようです。
また、同じリハビリテーション分野の専門職である理学療法士の給与水準も作業療法士とほとんど同じくらいです。

引用：https://co-medical.mynavi.jp/ot/column_1/

勤務する場所によって給料は異なる

前述したように、同じ作業療法士の仕事であっても勤務する職場や現場によって給料は異なります。

給料の水準は福祉施設よりも病院などの医療機関の方が高いようです。

児童デイサービスや発達障害児センターなどの発達の分野に関わる職場であれば、人手不足や施設自体の規模が小さいなどといった理由で給料が低いケースがあります。

たとえ福祉施設であっても給料が高い職場を見つけることは可能ですが、働く地域を希望の場所よりも広げて探す必要があります。

作業療法士を必要としている職場は全国にたくさんあり、正社員として活躍できる場所もあるため、待遇に関して満足している人も多いようです。

また、給料があまり高くなくても保険や雇用手当がきちんと整っているところであれば安心して仕事をすることができます。

病院や施設によって待遇や雇用手当が異なるため、就職前にしっかりと確認しておくことをおすすめします。

作業療法士の雇用形態

作業療法士は一般的に正社員として働くことになります。

場所によってはパートやアルバイト、非常勤職員として雇用を行なっており、働いている人もいます。

しかし、正社員でないと、どうしても収入が低くなる傾向にあります。パートやアルバイトの場合だと時給は2000円ほどとなっています。

作業療法士の中には就職したい職場に入社できるまで、一定期間非常勤職員として働き、正社員になれるタイミングを待っている人もいます。

作業療法士の給料は他の医療職と比べてそれほど高くないものの、福利厚生や雇用手当が整っている職場が多いです。

手当の内容としては「資格手当」「通勤手当」「扶養手当」「住居手当」などの手当があります。

資格手当の相場は1万円〜2万円といわれています。

引用：https://job-medley.com/tips/detail/872/

作業療法士の休日は？

作業療法士が働く職場は、週休2日のシフト制になっている場合がほとんどです。

施設によっては日曜が定休で、そのほかに1日休みというところもあります。

平日休みが基本で、休みの希望を出した日に休むことは難しいかもしれませんが、職場の人と話し合って希望通りに休みを取ることができます。

まとめ

今回は作業療法士の仕事内容や平均年収について紹介しました。

作業療法士は今後高齢化が深刻化する日本でますます需要が高まる職業と予測されています。

また、作業療法士の活躍の場が広がりつつあると同時に学問としても社会的に確立しつつあります。

雇用手当も整っており、安心して働ける職場が多くあります。

年収や経験を上げる為に、キャリアアップや転職を考えてみるのもいいかもしれません◎

将来性のある職業で今後活躍してみてはいかがでしょうか。